2-3. DNAの複製
https://gyazo.com/c46126ed3d416a19ff66aa9dd02da825
元と同じDNAができること
1個ずつ結合すること
この反応だと、親DNA鎖のそれぞれの一本鎖が娘DNA鎖に入ることになるが、この方式を半保存的複製という https://gyazo.com/9d0e22e46e0ab304a16f5cce754c63b9
1) DNA合成反応の原則
反応の基質
酵素は鋳型の塩基に対して相補的な塩基を持つdNTPを選択し、リン酸基が2個少ないdNMTをDNAに取り込む https://gyazo.com/bb27a2677fb310ac99cd33ee0d8a9c63
DNA合成は吸エルゴン反応(反応後のエネルギー状態のほうが高い反応)なので、反応にはエネルギーの供給が必要であるが、dNTPはATP(アデノシン三リン酸)と同様の高エネルギー物質あんおで、酵素は放出されるエネルギーを使って重合反応を進めることができる プライマー要求性と3'への進行性
DNAポリメラーゼはこの原則のもと、ヌクレオチド3'末端のOH基部分に、次のヌクレオチドの5'にあるリン酸基を連結する反応を行う
このため、DNAが延びるためには、前もって3'-OHをもつ核酸が鋳型DNAにアニールしている必要がある 細胞内で二本鎖が複製される場合
https://gyazo.com/10bdf14f364ad2aa1d8829d56db0d13e
DNA合成の鋳型は一本鎖なので、複製する場合はまずDNAの複製起点(oriという)が部分的に変性して複製の泡(複製の目ともいう)ができ、それが大きくなって左右に拡がっていく 複製のフォークの進行と、3'に向かうDNA合成の進行の方向が同じ側のDNA合成はスムーズに進むが、こちらの合成鎖をリーディング鎖(先行する鎖)という 他方の鋳型乗でのDNA合成は複雑で、まずフォーク付近から後方に向かって(複製開始点の方向に戻って)岡崎フラグメントと呼ばれる短いDNAができ、それが連結酵素であるDNAリガーゼで連結される 岡崎フラグメントの5'末端にはプライマーとなったRNAが結合しているため、DNAリガーゼが働く前にRNAを除く必要がある
2) 細胞内で起こるDNA複製: レプリコンの複製
ゲノムが複製される場合、oriから両方向に複製のフォークが進むが、これを両方向複製という 複製はいったん始まると途中で中断せずに終点まで一気に進み、一息で複製反応を終える
1回の複製反応で複製される範囲
真核生物の複製は多数のoriから細胞周期のS期に同調的に起こる https://gyazo.com/fb4ea90e22cadef1232a5a65fa59c9ae
3) DNAポリメラーゼ
DNAを合成するDNAポリメラーゼには色々な種類があり、また同一細胞内にも複数種のDNAポリメラーゼが存在する 大腸菌にはこのほかにも、修復に特化した複数の酵素がある https://gyazo.com/e6e3ef2e3a365cf0ceca44f05470ca24
memo: ヌクレアーゼの切断様式:エンドとエキソ
核酸の内部を切断すること
端から1ヌクレオチドずつ削り取ることをいい、3'側から削るものと5'側から削るものの2通りがある
真核生物やそのウイルスにはこのほか、ユニークな活性をもつDNA合成酵素がいくつかある
4) 試験管内DNA合成
https://gyazo.com/be601daf272fbafc5afda0664f9ba6fa
このようなDNA合成反応は、ジデオキシ法によるDNA配列決定法などでも用いられる memo: DNAの化学合成
反応させたい基以外を保護した後でヌクレオチドを重合させ、糖の3'と5'の間でリン酸ジエステル結合を形成させ、この反応を繰り返す
RNAも類似の方法で合成できる
このようにして合成した数個~数十個の塩基をもつオリゴヌクレオチドはDNA合成のプライマーなど、さまざまな用途に日常的に使われている